民族藝術学会 臨時総会と対話フォーラム
2019年06月26日
6月15日に、私が所属する民族藝術学会の「臨時総会と対話フォーラム」が大阪大学で開催されました。学会誌の大幅なリニューアルを中心とする学会改革の方針についての対話のための会合でした。対話フォーラムでは、最初に学会会長で国立民族学博物館館長の吉田憲司さんが「民族藝術学の新たな展開に向けて」と題して問題提起を行いました。吉田会長のお話は、対象を他者として固定化する「民族芸術」というカテゴリーは設定すべきではないが、人類のあらゆる社会に創造的な営みが存在することを考えれば、グローバル化した現代社会においては、西洋中心主義を脱却しきれていない「芸術学」の枠組みを超えて、人類の普遍的な営みとしての芸術現象を考究する学としての「民族芸術学」の潜在的可能性はかつてないほどに大きいという趣旨のものでした。それを受けて、学会誌『民族藝術』の名称変更が提案・承認され、学会の向かうべき方向について参加者全員による長時間にわたる活発な議論が交わされました。リニューアルされた学会誌は、2020年3月末に発行の予定です。どうかご注目ください。